近年では、義務教育でもプログラミングが必修となるなど、プログラミング言語に対して興味を持つ方が増えてきています。
また、Webサービスやスマホアプリが普及することで、その開発に使うプログラミング言語を覚えてみたいと思う方も多くなっています。
ただ、プログラミング言語の種類は数が多く、どれを選べばいいか分からないという方も多く、実際にプログラミング言語を学ぶことに踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、プログラミング言語の種類と特徴、選び方と学習方法について紹介します。
プログラミング言語を学習してみたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
プログラミング言語とは？
プログラミング言語とは、コンピューター上でシステムやアプリケーション、ソフトウェアなどを開発するために用いる言語です。
プログラミング言語は、メジャーなものからマイナーなものまで含めると、約200種類以上存在すると言われていて、それぞれ作成できるものや使われる分野などが異なります。
プログラミング言語を利用すれば、コンピューター上で動作するシステムやソフトウェア、スマホアプリやWebサイトなど、さまざまなものが作成可能です。
一部でプログラミング言語を使わない開発環境も普及してきていますが、ソフトウェア開発において、プログラミング言語はまだまだ活用範囲は広くなっています。
プログラミング言語の違い
現在、プログラミング言語には数多くの種類が存在します。
なぜ多くの種類のプログラミング言語があるのか分からない方もいらっしゃるかもしれませんが、その理由としては、それぞれのプログラミング言語には異なる特徴があり、得意分野が異なるためです。
ここでは、プログラミング言語の違いについて解説します。
作成できるもの・得意分野
プログラミング言語の主な違いとしては、種類により作成できるものと得意分野が違うという点があります。
例を挙げると、最近流行っているAIの開発にはPython、Webサービスの開発にはJavaScript、PCのソフトウェア開発にはC言語などがよく用いられます。
それぞれのプログラミング言語は、目的を持って作られているため、その目的に合ったプログラミング言語を選ぶことで、効率良く開発を行うことが可能です。
すでにプログラミング言語を使って何を作成するかが決まっている場合、使うプログラミング言語の種類はかなり限定されます。
機械向けか人間向けか
プログラミング言語は、大きく分類すると「コンパイラ言語」と「スクリプト言語」に分かれます。
コンパイラ言語とは、コンパイルという処理を行い、人間が作成したプログラムを機械語（コンピューターが直接理解できる言語）に変換します。そのため、コンパイラ言語は、機械向けのプログラム言語と言えます。
スクリプト言語とは、人間が読みやすいことを重視した言語で、コンパイラ言語と比較すると学習しやすいのがメリットです。そのため、スクリプト言語は、人間向けのプログラミング言語と言えます。
ただし、コンピューター向けの言語ではないため、処理に時間がかかるというデメリットがあります。
学習の難易度
プログラミング言語は、種類によって学習する難易度が違います。プログラミング言語自体を習得するための難易度に違いがあることに加えて、そのプログラミング言語を利用するための環境を構築する難易度にも違いがあります。
プログラミング言語を利用するための環境とは、プログラムを実行できる環境のことで、例えばJavaSriptであればWebブラウザがあれば動作させることが可能です。
一方、Pythonは動作させる環境を事前にインストールしておく必要があり、PHPについてはサーバーを構築する必要があります。このように、環境の構築が難しいと、そのプログラミング言語の習得を諦めてしまうケースもあります。
そのため、初心者がプログラミング言語を学習する場合は、言語そのものの難易度と環境構築の難易度が低いものを選ぶようにしましょう。また、自分のスキルや目的に合ったものを学習すると効率が良くなります。
需要や年収
プログラミング言語には、その種類によって需要が異なります。多くの場面で使われている言語もあれば、ほぼ使われていない言語もあり、需要はトレンドに応じて変化することがあります。
また、そのプログラミング言語を使用するエンジニアの年収も異なり、特に需要が高いプログラミング言語ほど平均年収が高くなる傾向があります。
ただ、需要があまりないプログラミング言語でも、難易度が高いため言語を使える人が少ない場合は、平均年収が高くなる場合があります。
プログラミング言語を年収が高い仕事に活かしたい場合は、その言語の需要についても確認しておきましょう。
プログラミング言語の種類
現在、プログラミング言語にはマイナーなものまで含めると、200種類以上存在すると言われています。ただし、その中には現在ではほぼ使われていないものも多く、現在作動しているシステムなどの開発に使われている言語は、全体の約10％程度とかなり少なくなっています。
ここでは、数多くあるプログラミング言語の中から、現在主に使われている言語について、その特徴などについて紹介します。
Java
現在もっとも広く使われているプログラミング言語がJavaです。
Javaはプラットフォームに依存しないプラットフォーム言語であるため、Windows、Mac、Linuxなど、OSに関わらず動作できます。
また、作成できるものも汎用性が高く、業務に使うシステムからゲーム、スマホアプリ、Webサービスなど、幅広い分野で使用されています。
JavaScript
Webサイト上でプログラムを作動させるためのプログラミング言語がJavaScriptです。
JavaScriptは、Webブラウザがあれば動作できるため、環境構築の必要がありません。そのため、初心者におすすめできる言語となっています。
Webサイト上での動的な効果などは、このJavaScriptで開発されています。
他にも、Androidアプリや銀行の基幹システムなどにも採用されている言語です。
C言語
C言語は昔から使われている歴史が古いプログラミング言語の一つです。多くのプログラミング言語はC言語が元となっていて、現在でも多くの分野で開発に利用されています。
C言語は動作させるためにコンパイルという処理が必要になりますが、実行速度が速いという特徴があります。
C言語はポインタというメモリーを操作する概念が存在するため、学習の難易度が高い言語とされています。そのため、初心者の習得にはハードルが高いかもしれません。
C言語はいわゆる高水準言語の一つですが、メモリーを直接アクセスすることでデータを操作することができるなど、低水準言語の側面もあるため、PCや機械を制御するプログラムに多く用いられています。
言語としての需要は減少傾向ですが、現在も多くの分野で使用されていて、今後も需要は見込まれます。
C++
C++は、C言語の派生言語の一つです。C言語にオブジェクト指向の要素を追加し、機能を拡張しています。C言語でできる内容はC++でも実現できるため、C言語のプログラムをC++に移行することも可能です。
また、プログラム言語の中でも処理が高速なため、高速演算が必要な場面で多く利用されています。
もしC言語を学習する予定があるのなら、あわせてC++も習得しておくといいでしょう。
C#
C#はマイクロソフトが開発したプログラム言語で、C言語の派生言語の一つです。こちらもC++と同様にC言語にオブジェクト指向の要素を追加しています。
特徴としては、C言語とJavaの良い点を合わせた言語となっていて、Java寄りのWeb系の言語となっています。C言語の派生言語ですが、C言語とはあまり似ていません。
C#はマイクロソフトが開発しているため、マイクロソフトのVisual Studioを利用して開発することができます。
主にWindows上で動作するソフトウェアの開発に適している言語です。
Python
Pythonは、近年注目されているAIの開発で多く利用されているプログラミング言語です。AIの開発以外にも、Webアプリやスマホアプリの開発にも利用されています。
Pythonはコードがシンプルなのが特徴で、初心者にもおすすめできるプログラミング言語となっています。また、AIの重要な要素である機械学習に特化した機能が用意されています。
AI需要が高まっていることもあり、今後の需要が期待できる言語と言えます。
PHP
PHPはWebの開発に特化したプログラミング言語です。Webサイトの構築に使われているワードプレスで用いられている言語で、古くからWeb開発で使用されています。
Webアプリの開発で幅広く使用されているため情報が多く、初心者が学習しやすくなっています。
Webアプリの開発をしたいなら、PHPの習得をおすすめします。
GO
GOは、Googleが開発したプログラミング言語です。最初はGoogleの社内で使用するために開発されましたが、現在ではオープンソースの言語として利用されています。
プログラムの構文がシンプルなのが特徴で、ミスしやすい要素を排除しているため、エンジニアのスキルに関わらず安定したプログラミングを実現可能です。
中でも大規模なシステムの開発に適している言語となっています。
Kotlin
Kotlinは、スマホのOSであるAndroidの公式開発プログラミング言語です。
Javaと親和性が高いのが特徴で、オブジェクト指向となっていてJavaのソースコードを呼び出すこともできます。
Javaよりも少ないコード量で同じ内容を実装可能で、エラーを防止できる機能もあります。
Androidでアプリを開発する予定があるのなら、Kotlinの習得がおすすめです。
Swift
KotlinがAndroidの開発言語なのに対し、SwiftはAppleが開発したプログラミング言語で、iOSやMacOSで使用できるApple公式のプログラミング言語となっています。
他の言語と比較してまだ情報が少ないため初心者の習得には不向きですが、iPhone向けのアプリなどの開発をする場合には習得する必要があります。
ただし、SwiftはWindowsでは動作しないため注意しましょう。
R言語
R言語は統計解析に特化したプログラミング言語です。
言語としてデータの解析に適した機能が多く用意されていて、関数名に日本語も使用することができるという特徴があります。
全体的に読みやすいコードが書けるため、プログラミング言語としての習得の難易度は低いのですが、開発には統計解析の知識が必要となるため、実際に使用するにはハードルが高い言語となっています。
Perl
Perlは、テキストの処理に最適なプログラミング言語です。
言語として機能が豊富で、ライブラリも多く用意されているため、データ分析、CGIなどの多くの分野で使用されています。
特にテキストの処理が得意分野であるため、テキスト編集を行う場合におすすめの言語です。
Ruby
Rubyは日本で開発されたプログラミング言語です。楽しくプログラミングができるという点がコンセプトとなっていて、コードがシンプルなのが特徴です。
また、開発が効率的にできる「Ruby on Rails」というフレームワークも用意されています。
日本で開発された言語であるため、日本語の情報が多いため、初心者にもおすすめできる言語です。
TypeScript
TypeScriptは、マイクロソフトがJavaScriptを拡張して開発したプログラミング言語で、オブジェクト指向の言語となっています。
JavaScriptを拡張した言語であるため、JavaScriptとの互換性が高く、コンパイルすればJavaScriptに変換されるため、JavaScriptの動作環境があれば利用することができます。
また、TypeScriptはGoogleの社内の開発言語として採用されています。
Scala
Scalaは、オブジェクト指向と関数タイプの両方のプログラミングができる言語です。
Javaと同じ動作環境で作動させることが可能で、Javaのライブラリを利用することもできます。近年Scalaで開発されたサービスが増えてきており、注目されている言語となっています。
ただ、オブジェクト指向と関数タイプの言語の両方を理解している必要があるため、習得のための難易度は高めです。
プログラミング言語の選び方
ここまで、主要なプログラミング言語の特徴などについて紹介しましたが、これからプログラミング言語を学習しようと検討している方にとっては、選び方が分からないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、プログラミング言語の選び方について紹介します。
どのプログラミング言語を学習するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
使用目的で選ぶ
プログラミング言語の選び方の一つとして、使用目的で選ぶという方法があります。
プログラミング言語には得意な分野・不得意な分野、できることとできないことがあります。そのため、どのような目的でプログラミング言語を学習するのかにより、学習すべき言語も異なります。
もし何か作成したいものがあるのであれば、その作成したいものが開発可能な言語を選ぶ必要があります。
スマホアプリの開発の場合、iOS用なのかAndroid用なのかにより学習すべきプログラミング言語が異なります。
Android向けのスマホアプリを開発するのなら、JavaやKotlinが最適です。また、Javaであれば、スマホアプリの開発以外にも幅広く利用されています。
iOS向けのアプリを開発したいならSwiftがおすすめです。ただ、SwiftはWindowsでは使用できないため注意しましょう。
PC向けのソフトウェア開発が目的ならC#が最適です。C#はWindows向けのソフトウェア開発に使用されているプログラミング言語で、Webアプリの開発にも使用されています。他にも、ブラウザ向けのゲームアプリ開発に利用されているUnityもC#に対応しています。
Web関連の開発を行う場合は、PHPやJavaScriptがおすすめです。PHPはWeb開発に特化したプログラミング言語で、動作環境も容易に準備できます。また、JavaScriptはWebブラウザがあれば動作できるため、動作環境はすぐに用意できます。
AIの開発が目的であれば、Pythonがおすすめです。PythonはAIの重要な要素である機械学習に特化した機能が多く用意されています。
需要で選ぶ
プログラミング言語には需要に差があります。エンジニアの求人を有利にすすめたいのであれば、需要が高いJavaがおすすめです。
Javaはシステム開発だけでなく、Web開発やスマホアプリなど幅広い分野で利用されているため、エンジニアの求人数が多くなっています。
また、Javaが需要が高い言語であるため、Javaを習得しておけば将来的な仕事にも困ることがないと言えます。
現場の普及率で選ぶ
プログラミング言語を現場の普及率で選ぶという方法もあります。普及率が高ければ、それだけ情報が多いことになるため、学習がしやすいという特徴があります。
現場の普及率が高い言語には、C、C++、Pythonなどがおすすめです。
現場で多く使用されている言語を習得しておけば、エンジニアとして仕事をする場合に求人数が多いため、企業の選択肢が増えるというメリットがあります。
特に日本国内ではC言語やC++に人気があり、多くの企業で採用されています。
また、最近ではPythonやJavaScriptの普及率も高くなっています。
習得の難易度で選ぶ
初心者なので、まずは簡単に習得できるプログラミング言語がいいのであれば、PHPやRubyがおすすめです。
プログラミング言語は最初に習得するまでのハードルが高く、一つプログラミング言語を習得してしまえば、他のプログラミング言語を習得するハードルは低くなります。
そのため、最初に学習するプログラミング言語は難易度が低いものがおすすめです。もし最初に難易度が高い言語を選ぶと、習得する前に挫折してしまうかもしれません。
一般的にPHPやRuby、JavaScriptは習得難易度が低く、C言語やR、Scalaは難易度が高くなっています。
プログラミング言語の学習方法
プログラミング言語を学習するには、方法がいくつか存在します。
ここでは、プログラミング言語の学習方法について紹介します。
学習のために用意できる時間と予算などによって適している方法が異なるため、ご自身の状況に合った学習方法を選ぶと効果的に学習可能です。
書籍を利用する
プログラミング言語は、書籍を利用して独学で学習することができます。たいていのプログラミング言語は、学習するための書籍が豊富に用意されています。
書籍には初心者向けの簡単な内容のものから、習得済みの方でも利用できるような専門的な内容まで幅広く用意されています。
書籍を利用すれば、プログラミング言語の基礎知識から実際のサンプルコードなど、言語に対する内容を網羅的に学習することが可能です。
書籍で学習する場合、独学で行う必要があるため、時間がある方におすすめです。
Webを利用する
プログラミング言語について解説しているWebサイトが多く存在するため、Webを使って学習することが可能です。
Webサイトとしては、プログラミング言語の公式サイトや学習のためのサイトなど、幅広いサイトがあります。
無料で利用できるサイトも多いため、お金をかけずに学習することが可能です。
プログラミング言語の基礎知識について簡単にまとめているサイトもあるため、初心者にもおすすめの方法です。
スクールに通う
プログラミング言語は、学習するためのスクールも存在します。
プログラミングスクールに通うことで、効率的に学習できるため、短期間で習得したい場合におすすめです。
他の学習方法と比べて費用が多くかかりますが、プロの講師から学ぶことができるため、短期間で効率良く学習できます。
また、内容が理解できない場合でも、その場で質問できるため、途中で挫折しにくいというメリットもあります。
そのため、短期間で確実に習得したい方、予算に余裕がある方におすすめです。
勉強会に参加する
プログラミング言語では、学習するための勉強会が存在します。この勉強会に参加することでも学習することが可能です。
勉強会としては、プログラミングのコミュニティなどで定期的に開催されています。勉強会に参加することで、仲間と一緒に学習できるため、モチベーションを保ちやすいというメリットがあります。
独学では学習がうまく進まないという方は、勉強会に参加してみてください。
まとめ
ここまで、プログラミング言語の種類と特徴、選び方と学習方法について紹介しました。
プログラミング言語には多くの種類があり、得意分野や使用目的があり、習得の難易度や需要なども異なります。
プログラミング言語の選び方としては、言語の使用目的、言語の需要と普及率、習得の難易度などから選びましょう。
学習方法としては、書籍を使って独学で学習する方法、Webサイトを利用する方法、プログラミングスクールに通って学習する方法、勉強会に参加する方法があります。
プログラミング言語は種類が多いため、目的を決めてから言語を選び、効率的に学習するようにしましょう。
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