プログラミング

プログラミング未経験者にAIシステムは作れる?基礎から実践まで解説

ChatGPTがリリースされ、言葉のやり取りの自然さや応答精度の高さにより、AIへの注目が集まっています。これに応じ、「Bing AI」のリリースやMicrosoft 365にChatGPTを組み込んだ「Microsoft 365 Copilot」が発表され、AI開発競争が過熱しています。

そのため、AIに興味を持ち「AIのことをしっかりと理解したい」「自分でもAIシステムを作りたい」などを考える方も多いと思います。

しかし、「AIそのものについて、よく分からない」や「AIプログラミングの学習方法が分からない」など、興味はあるものの、どうしてよいか分からないといった方も多いと思います。

本記事では、プログラミング未経験者がAIプログラミングの学習を始められるよう、

・そもそもAIシステムってなに?
・プログラミング未経験者にAIシステムは作れるの?
・AIプログラミングと従来のプログラミングの違いってなに?
・AIプログラミングに必要な知識ってなに?
・AIプログラミングってどうやって始めればいい?
・AIプログラミングの学習方法は?

について解説します。

気になっている方は、ぜひご一読ください。

AIシステムの基礎知識

AIとはArtificial Intelligence(人工知能)の略語で、人間の知能をコンピューターで模倣する技術のことです。

人間の知能を模倣しているため、AIができることは多岐にわたりますが、代表的なものを紹介します。

処理名処理の概要活用事例
画像処理画像に対しフィルタリングや境界抽出、特徴抽出を行い、認識した情報をもとに、画像の加工や生成、解析、認識などの処理を行います。・自動車の自動運転機能
・医療用画像診断システム
・セキュリティシステム
信号処理音声や電気信号などの信号に対し、フィルタリング、周波数解析、位相解析、パターン認識などの処理を行い、音声認識や音声合成を行います。・AIスピーカー
時系列解析処理一定時間間隔で収集された時系列データを分析/解析し、データの傾向や周期性などから将来の予測を行います。・株価予測
・販売予測
・エネルギーなどの需要予測
自然言語処理(NLP)人の話す言葉や書いた言葉を理解して分析し、適切な応答を行います。・チャットボットやボイスボット
・コールセンターの自動応答
・翻訳サービス
・外国語教育
・議事録の自動作成

これら処理を実現するために、AIは「機械学習」という機能を持っています。

また、AIというと、「ディープラーニング」という言葉を聞いたことがあると思いますが、「AI」「機械学習」「ディープラーニング」の違いや関係性については、あまり理解されていないようです。

そのため、「AI」「機械学習」「ディープラーニング」の関係性と機械学習の手順を解説します。

AIと機械学習・ディープラーニングとの関係性について

AIが一番の大枠となります。そして、AIの中の一部の技術が「機械学習」機械学習の中のアルゴリズムの一つが「ディープラーニング」です。


つづいて、AIと機械学習の処理の流れを解説します。

AIはコンピューターが人を模倣し、人の目から入ってくる画像の情報、耳から入ってくる音などの信号情報、人が話す言葉(自然言語)の情報などをコンピューターが処理できるよう数値情報に変換します。また、人が受け取る情報以外にも一定時間間隔で収集された時系列データなども受け取り、先ほどの情報と同様に数値情報に変換します。

これらの入ってきた情報を数値に変換し機械学習によって行う処理を、それぞれ「画像処理」「信号処理」「自然言語処理」「時系列処理」といいます。機械学習は数値情報をもとに処理を行う手順(アルゴリズム)の一つがディープラーニングです。

機械学習の中のアルゴリズムには、ディープラーニング以外にも「単回帰分析」や「SVM(Support Vector Machine)」、「NN(Neural Network)」など、たくさんのアルゴリズムがあり、それぞれの特徴によって使い分けています。

処理の例として、写真から人を特定するケースを解説します。

AIは画像処理により、画像の情報を数値情報に変換します。次に、機械学習がディープラーニングなどのアルゴリズムを使い、数値情報から人の鼻や目を検出し、人の顔であること判断し人だと特定します。

このようにしてAIは、入ってきた情報を自分で処理しているのですが、処理を実現している実体は機械学習です。そのため、機械学習が正しく判断し処理が行えるよう、学習(訓練)をさせる必要があります。

この学習方法は3種類あり、それぞれの特徴は次のとおりです。

学習方法特徴活用事例
教師あり学習問題(入力情報)と答え(出力情報)を与え、「この問題に対してはこの回答をする」と学習させる手法
学習精度が高く、学習速度が速いことが特徴
・スパムメールのフィルタリング判定
・医療用画像診断
・音声認識
など
教師なし学習答え(出力情報)が存在しない場合に、問題(入力情報)だけを与えて、データの構造やパターンを把握するための学習方法
教師あり学習と比較して、学習精度が低くなる傾向にあるが、人では気づくことができないデータ内の隠れたパターンや構造を抽出することができる
・遺伝子配列解析
・市場調査
・物体認識
など
強化学習データは与えず、動きながらデータを取り込み考えさせる学習方法・ロボット掃除機
・自動車の自動運転
・ゲーム(チェス・囲碁)
など


ディープラーニングや単回帰分析をはじめとする、アルゴリズムの特性によって学習方法の向き/不向きがあります。そのため、行う処理に応じて、使うアルゴリズムと学習方法を選択します。

機械学習の手順

機械学習を理解には数学の知識が必要になるため、今回は細かな説明は割愛しますが、どのようにして機械学習を行っているのかを理解するため、もっとも単純な単回帰分析の教師あり学習の手順を解説します。

単回帰分析の教師あり学習の手順は以下の3ステップです。

  • ステップ1:モデルを決める
  • ステップ2:目的関数を決める
  • ステップ3:最適なパラメータを求める

今回は部屋の広さから家賃を予測するシステムを例題とします。

ステップ1:モデルを決める

まずはじめに、問題と答えの関係をどのように表すかを決定します

そのために部屋の広さと家賃のデータを集めます。このデータをサンプルデータと呼び、問題に部屋の広さ、答えに家賃をプロットします。

今回のケースでは、家賃は部屋の広さに応じ、右肩上がりで高くなっていくことが予測され、サンプルデータをプロットした結果も予測と近い結果になったため、この関係性を定式化することを考えます。

今回のケースの場合、部屋の広さに応じた家賃の上昇率(傾き)と最低家賃(切片)を考慮し、家賃(y) = 傾き(w) × 部屋の広さ(x) + 切片(b)となります。これを数式で表すとy = wx + b となります。この数式を「モデル」と呼びます。

今回のモデルの、傾き(w)と切片(b)のことを「パラーメータ」と呼び、このパラメータの値をサンプルデータ(家賃(y))、部屋の広さ(x))をもとに最適化していくプロセスのことを「訓練」といいます。

また、モデルを決めたあと、データの前処理と呼ばれる処理を行い、機械学習アルゴリズムに適した形式にモデルを変換します。これにより、パラメータbを無くすなど処理を簡素化します。

今回のモデルは、データ前処理により切片(b)無くし、最終的には、y = wx となります。

ステップ2:目的関数を決める

ステップ1で決めたモデルに対し、次のステップ3で最適なパラメータを求めます。

しかし、コンピューターには最適なパラメータ求めるための指標が分かりません。そのため、本ステップでは、最適なパラメータを決めるための指標となる「目的関数」を決めます。

今回のモデルの場合には、実際の家賃(t)と機械学習が予測した家賃(y)の差が小さければ小さいほど、よい予測ができているといえます。そのため、t – y の差を最小化にする二乗和誤差(Sum of squared error)を目的関数として用います。

ステップ3:最適なパラメータを求める

本ステップでは、ステップ1で決めたモデルとステップ2で決めた目的関数、そしてサンプルデータを使用し、最適なパラメータを求めます。

やり方としては、サンプルデータを使用してモデルが予測を行います。その予測結果(y)とサンプルデータ内の回答データ(t)を使い、その差に基づいてパラメータの更新を繰り返し、目的関数を最小化するパラメータを探索します。

こういった手順で機械学習を訓練し、機械学習が自分で予測できるようにします。

AIプログラミング開発の始め方

AIプログラミング開発の始め方を解説する前に、初心者が不安や疑問に感じる点について解説します。

  • プログラミング初心者にAIシステムは作れるのか?
  • AIにプログラミングさせることはできるのか?
  • 従来のプログラミングとAIプログラミングの違いは何?
  • AIプログラミングのために必要な知識は何?
  • AIプログラミングはどの言語で作ることができるのか?
  • AIプログラミング学習を始めるのに最適な言語は?

プログラミング未経験者にAIシステムは作れるのか?

本格的なAIシステムとなると、プログラミングスキルに加え、機械学習機能を作るための数学の基礎知識が必要です。そのため、プログラミング未経験者にはハードルが高いです。

しかし、フレームワークやライブラリを利用することで比較的簡単にAIプログラミングを行うことができるため、基本的な知識を身につけたうえで、機能を限定した小さなアプリケーションであれば、初心者でもAIプログラムを作ることは可能です。

また、AIシステムを作る前に、まずは、作った達成感を経験するため、ChatGPTのようにOpenAIのAPIを使用し簡単なQ&Aシステムを作ってみるのもよいと思います。このくらいのシステムであれば、プログラミング初心者でも数時間程度で作れますので、試しに作ってみると、AIプログラミングの学習へのモチベーションがあがると思いますよ。

AIにプログラミングさせることはできるのか?

ChatGPTは、プログラミングのコードも教えてくれるため「プログラミングを知らなくてもプログラムが組める」と話題になっています。

では、ChatGPTなどAIがプログラミングしてくれるから、プログラミング初心者でもプログラミングの基礎知識は不要なのでは?と考える方もいるのではないでしょうか。

結論としては、プログラミング未経験者では、AIに教えられたプログラミングコードでプログラムを組むことは難しいと思います。

理由はつぎの通りです。

・AIに教えられたプログラミングコードのプログラムへの反映方法が分からない
・AIが回答しやすように質問文をつくることが難しい

ChatGPTは、かなり正確なプログラムコードを教えてくれます。しかし、基本的なプログラミングや機械学習の基礎知識がないと、AIへの質問文を作るための用語や質問に対する補足情報などが分からず、AIが回答できるように質問をすることができません。そのため、有効な情報をえられない、もしくは、得られたとしても、その情報をプログラムに反映することができない、といった問題が起こると思います。

そのため、ある程度の基礎知識を習得したうえでの利用がよいと思います。

従来のプログラミングとAIプログラミングの違い

従来のプログラミングAIプログラミング
目的処理を自動化するためAIに予測や判断をしてもらうため
プログラミング処理の一つ一つをすべてプログラミングする機械学習が判断するためのロジックを決め、正しい判断ができるよう機械学習を訓練する
結果の予測予測した通りの結果を得られる結果を予測することはできない
処理結果条件が同じ場合は、常に同じ結果が得られる条件が同じ場合でも結果が異なることがある
期待した結果を得られない場合不具合であるため改修を行うサンプルデータの作成もしくは再収集を行い、機械学習の再教育を行う

AIプログラミングのために必要な知識は何?

  • AIについての基礎知識
  • プログラミングの基礎知識
  • 機械学習で必要となる数学の基礎知識

AIについての基礎知識

AIについての基礎知識は、前述している解説を参照してください。

プログラミングの基礎知識

プログラミング言語の基本的な文法の理解とAI処理や機械学習用のフレームワークやライブラリを扱える程度の基礎知識が必要です。

機械学習で必要となる数学の基礎知識

機械学習の手順で解説したよう、機械学習の作成時には、「微分・積分」「線形代数」「確率・統計」といった数学の基礎知識が必要です。

AIシステムの開発ができる言語5選

AIシステムを開発することができるプログラミング言語はたくさんあります。今回はその中から、5つを紹介します。

言語特徴難易度
Python(パイソン)初めてプログラミングを学ぶ人でも理解しやすいシンプルで読みやすい文法のため、初心者でも扱いやすく人気の高いプログラム言語です。
Pythonは、多様な用途に対応しており、Webやゲームといった汎用的なプログラミングからAIプログラミングに必要な、機械学習、データ解析、自然言語処理など、幅広く利用されてます。
★★☆☆☆
R(アール)Pythonと同様にシンプルで読みやすい文法で、初心者でも扱いやすく人気の高いプログラム言語です。
Rは統計解析に特化したプログラミング言語です。そのため、統計解析においてはPythonより機能が充実していますが、その分、Webアプリケーションが作成できないなど、汎用性に欠ける面があります。
★★☆☆☆
Java Script(ジャバスクリプト)Java Scriptは、Java(ジャバ)という名があるものの、Javaとは別物の言語です。
JavaScriptは主にWebブラウザでの処理を行うプログラムを書く際使用する言語ですが、TensorFlow.jsやBrain.jsといった機械学習やディープラーニングを行うためのフレームワークも豊富に用意されており、Webアプリケーションの中にAI機能を簡単に搭載することができます。
★★☆☆☆
Java(ジャバ)C言語をベースに開発された、オブジェクト指向のプログラミング言語です。
Javaはクロスプラットフォームであるため、Windows、Mac、Linuxなど、様々なOSで動作します。そのため、特定のOSに依存せず、大規模なシステムやアプリケーションの開発に利用されることが多いです。
C++ほど難易度が高くはないため、オブジェクト指向のプログラミングの考え方や利点を理解するための学習に適したプログラミング言語です。
★★★☆☆
C++(シープラプラ)C言語を拡張したプログラミング言語であり、高速で効率的なプログラミングに適しています。
高速な処理を可能とするため、メモリ管理に関する知識が必要です。また、多くの機能を有しているため、ほかのプログラミング言語よりも複雑で、初心者にとっては取り扱いが難しいプログラミング言語です。
★★★★★

Pythonをおすすめする理由

プログラミング初心者がAIプログラミングを学習するのであれば、おすすめするプログラミング言語は「Python(パイソン)」です。

理由は次のとおりです。

  • 手軽に学習できる
  • 多くのライブラリ/フレームワークがある
  • コミュニティが大きい
  • 利用実績が多い

手軽に学習できる

シンプルで読みやすい文法のため、プログラミング初心者でも理解しやすいです。プログラムコードが分かりやすいと不具合の検出や修正が比較的かんたんに行え、学習の途中で挫折をしにくくなります。

オブジェクト指向言語であるため、複雑なシステムでも単純化でき、拡張性の高いプログラムを簡単に作ることができます。

また、Google ColaboratoryというWebブラウザ上のプログラミング環境を利用できるため、学習に使用するパソコンのスペックやハードディスクの容量を気にせず学習を開始することができます。

多くのライブラリ/フレームワークがある

Pythonには、科学技術計算や機械学習、データ分析などAIプログラミングに必要なライブラリが豊富に用意されています。これらのライブラリを使うことで、比較的かんたんにプログラミングが行えます。

AIプログラミングで、よく使われるものを紹介します。

  • Numpy(数値計算、データ操作)
  • Scipy(科学計算・技術計算)
  • TensorFlow(画像認識、音声認識、自然言語処理、機械翻訳)
  • PyTorch(画像認識、音声認識、自然言語処理、機械翻訳)

また、参考までに、ライブラリとフレームワークの違いを簡単に解説します。

・ライブラリ:特定の機能を実装するための関数やクラスの集まり
・フレームワーク:一連のルールや設計に従ってアプリケーションを構築するための骨組み

コミュニティが大きい

Pythonは世界中で広く使われている言語です。そのためコミュニティも非常に大きく、質問サイトやフレームワーク、ライブラリのドキュメントも充実しています。そのため、書籍も多く発売されていたり、初心者向けのサポートも充実しており、学習しやすい環境が整っています。

利用実績が多い

YouTubeやInstagram、DropBoxなど、数多くのAI機能を搭載したWebアプリケーションがPythonで作られています。また、AI研究の論文内でも数多く利用されており、利用実績から人気の高さが分かります。そのため、スキルを身につけることで、就職・転職が有利になります。

このような理由から、後述する、いずれのAIプログラミングスクールでも、プログラミング言語はPythonを使用しています。

AIプログラム開発の手順

ステップ1:作りたいAIシステムを設計する

まず最初に、AIで解決したい課題や提供したい価値を考えます。つぎに、そのためになにを作るのかを定め、ゴールイメージを固めます。

初心者が高機能なシステムを作ることは大変難しいため、まずは機能をひとつに絞った小さなシステムが最適です。

また、この段階で、機械学習のためのサンプルデータも用意しておきます

とはいえ、初心者は作りたいものをイメージすることが難しいと思います。イメージが浮かばない場合は、インターネット上に公開されているサンプルプログラムなどを真似してみるのがよいと思います。

また、AIプログラミングとはいえませんが、OpenAIのAPIを使用してChatGPTのようなQ&Aシステムやチャットボットを作ってみるのも、最初のとっかかりとしてはよいと思います。

ステップ2:AIプログラミング開発をする

AIプログラミングを学習し、習得した知識をもとにシステムを開発します。

機械学習も開発する場合には、設計のときに用意したサンプルデータで機械学習の訓練も行います

初心者は、完成度の高いシステムを作ることは難しいので、「最後までつくる」ことを強く意識してください。

ステップ3:動作テストをする

プログラミング開発が終わったら、つづいては動作確認です。

まずは、プログラムの動作確認として、設計の段階で予測した結果を得られることを確認します。予測と異なる結果となった場合にはプログラムを修正し、再度、動作テストを行います。

つぎに、機械学習に判断をさせた結果を確認します。実データと予測データの差が大きいなど期待した結果になっていない場合は、つぎのことが原因が考えられます。

・動作テストに使ったデータか機械学習の訓練に使ったサンプルデータが間違えている
・サンプルデータのデータ量が極端に少ない
・機械学習のモデルや目的関数が適切ではない

原因を特定し、修正後に再テストか機械学習のやり直しを行います。

AIプログラミング学習の始め方

AIプログラミングの学習方法

AIプログラミングも通常のプログラミングでも、プログラミングそのものについては、学習や習得のための難易度は変わりません。しかし、AIプログラミングとなるとプログラミングの基礎知識に加えて、AIの基礎知識と機械学習のための数学知識の習得も必要なため、難易度が高くなります。

そのため、一般にはスクールに通うことがすすめられていますが、プログラミングの学習サイトや書籍などの教材を使用することで、独学でも習得することは可能です。

独学かスクールに通うかについては、それぞれのメリットとデメリットに注意して、自分に合った方を選択してください。

メリット

独学スクール
低コストで学習できるプロの講師が基礎から教えてくれる
自分のペースで学習できる質問への回答やアドバイスを受けられる
転職支援を受けられる

デメリット

独学スクール
学習の仕方が分からない授業料が高額である
分からない点を一人で解決することが難しいため、挫折しやすい学習期間が決まっているため、仕事や学校との両立が難しい

独学

独学はコストを抑え、自分のペースで学習することができるため、手軽に始められます。そのため、本格的な学習前のお試しとして始めてみるのもよいと思います。

また、AIプログラミングとして、プログラミングと機械学習に必要な数学の両方をまとめて基礎から学べるコンテンツはそれほど多くはないため、プログラミング学習と数学の学習は、分けて行う方がよいと思います。

ステップ1:基礎学習

プログラミングと機械学習のための数学の基礎知識を学習します。

ここでは効果的な学習方法を解説します。

  • WebサイトやYouTubeを見る
  • 書籍を読む
  • プログラミング学習サイトを利用する
WebサイトやYouTubeを見る

プログラミングや機械学習、数学に関する情報は、WebサイトやYouTube動画で無料で見ることができます。

WebサイトやYouTube動画であれば、無料で好きな場所や時間に見ることができるので、学習コストが低く誰でも気軽に始められます。

しかし、無料の情報であるため、情報量が少なく体系的な説明がされていない。そのため、「学習計画が立てられない」や「分かりづらい」といったデメリットがあります。そのため、後述するAIプログラミングスクールのカリキュラムを参考に学習計画を立てることをおすすめします。

なお、情報を検索する際には、キーワードに「AIプログラミング」ではなく「機械学習」と指定する方が、効果的な情報が見つかる可能性が高まります。

プログラミング学習サイトを利用する

インターネット上には、プログラミングを効率的に学習できるプログラミング学習サイトが数多く存在していますが、AIプログラミングを扱っているサイトはそれほどは多くはありません。

そのため、AIプログラミングを扱っている学習サイトをまとめました。情報収集に活用してください。
また、料金などの詳細な情報については、直接、学習サイトを参照して確認してください。

学習サイト特徴講座情報
キカガク・数学は手書き、Pythonについては実際にコーディングしながらの解説のため、演習しながら受講がしやすいPython&機械学習入門
54講義

脱ブラックボックスコース
41講義

など、多数講義あり
AI Academy(エーアイアカデミー)・最初にアンケートフォームに、習得したいスキルと現在のスキルを入力し、おすすめの講義動画を提示してもらう
・講義のゴールが具体的なのでモチベーションが保ちやすい
プログラミングの基礎の基礎を身に着けたい

不動産などの住宅価格を予測できるようになりたい

など、多数講義あり

Udemy(ユーデミー)・講義が豊富で利用者も多いみんなのAI講座 ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習

基礎から理解し、Pythonで実装!機械学習26のアルゴリズムを理論と実践を通じてマスターしよう

など、多数講義あり
Paizaラーニング(パイザラーニング)・ブラウザ上でプログラミングが行えるので環境構築が不要
・動画時間が3分と短いため、すき間時間での学習することができる
・不明点を質問しアドバイスを受けることができる
Python×AI・機械学習入門編

など、多数講義あり
Chainer(チェイナー)・チュートリアルを通じて、体系的に学習することができる
・Step1:準備編でPythonと機械学習に使う数学の基礎知識を学習し、学習の効果を確認するための演習問題も用意されている
チュートリアル講義
Step1:準備編 6講義
Step2:機械学習とデータ分析入門 6講義
Step3:ディープラーニング入門 4講義
Code Academy(コードアカデミー)・アメリカの学習サイトのためサイト内はすべて英語表記、英語力がないと受講が難しい
・講義が豊富で利用者も多い

Intro to Machine Learning
13講義

Getting Started with Natural Language Processing
1講義

など、多数講義あり

当然、どのプログラミング学習サイトも有料版の方が、より豊富な学習教材や機能、サービスを利用できるようになっています。基礎知識を身につけ、中級者・上級者を目指すときには、必要な費用と考え活用を検討してみてください。

書籍を読む

書籍を読むことでも、AIプログラミングを学習することができます。

AIプログラミングに関する書籍は数多く販売されており、そのほとんどがPythonでの作成方法が書かれています。初心者がAIプログラミングを学習するためには、「入門」や「知識ゼロから」といったタイトルの書籍が理解しやすいと思います。

独学での学習については、「WebサイトやYouTube」「プログラミング学習サイト」「書籍」を掛け合わせることで効率があがり効果的です。

はじめは、WebサイトやYouTubeの情報をもとにAIプログラミングに触れてみて、続けられそうと思ったらプログラミング学習サイトと書籍を利用し、体系的に学習するとよいと思います。

ステップ2:アプリケーションを作成

プログラミングと数学の基礎知識を習得したら、アプリケーションの開発を行います。

アプリケーションの開発手順は、前述したAIプログラム開発の手順を参照し、簡単なアプリケーションを作ることから始め、徐々にステップアップをしていきます。

スクール

プログラミングスクールは、プロの講師がたてた学習スケジュールで、AIとプログラミングの両方を基礎からしっかりと教えてくれますので、AIプログラミングを効率よく身に付けられるます。

分からない点を質問することでスムーズに答えや原因を知ることができるので、挫折しづらく効果的な学習をすることができます。

また、最近はオンラインで好きな時間に受講できるスクールも増え、以前よりも仕事や学校との両立がやりやすくなってきました。

しかし、多くのプログラミングスクールは数十万円ほどの費用が必要になってくるので、誰でも気軽に利用できるサービスではありません。しかし、AIエンジニアは希少性が高く年収面で有利な職種です。就職・転職支援を行っているところが多いため、AIエンジニアへの転身を考えている場合には、おすすめの学習方法です。

おすすめのスクール
  • キカガク
  • Aidemy Premium(アイデミープレミアム)
  • AI Academy(エーアイアカデミー)
  • SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
キカガク

おすすめのスクールはキカガクです。

オンラインで講義動画を見ながら好きな時間に学習を行えるスクールです。

AI人材育成長期コース受講者は、特典としてすべてのコースの講義動画が見放題です。

まずは無料のPython&機械学習入門を受講し基礎知識を身につけた後に、有料のAI人材育成長期コースを受講します。

運営会社株式会社キカガク
学習サポート・1on1のメンタリング
・チャットで質問に対応
転職/独立支援DODAの転職サポートが受けられる
専門実践教育訓練給付制度対象
料金Python&機械学習入門
0円

AI人材育成長期コース(6か月)
72万0,000円~
Aidemy Premium(アイデミープレミアム)

次のおすすめのスクールは、Aidemy Premium(アイデミープレミアム)です。

オンラインで好きな時間に学習を行えるスクールです。教材はテキストと講義動画が用意されており、単元により効果的な教材で学習できるよう使い分けられています。

また、受講期間中に指定のカリキュラムを終えた後に、データ分析講座や自然言語処理講座などの別の講座を追加料金なしで受講することができます。

運営会社株式会社アイデミー
学習サポート・オンラインによる1on1のカウンセリング
・チャットで質問に対応
・バーチャル学習室
転職/独立支援・国家資格保有のキャリアコンサルタントによるカウンセリング
・求人・転職エージェントの紹介
・選考対策サポート
専門実践教育訓練給付制度対象
料金AIアプリ開発講座(3か月、6か月、9か月)
52万8,000円~
AI Academy(エーアイアカデミー)

次のおすすめのスクールは、AI Academy(エーアイアカデミー)です。

オンラインマンツーマンでの演習授業のため、分からない点をその場で講師に質問できます。教材は無料と有料のテキストが豊富にあり、演習問題を中心に学習できるよう、すべての授業に予習用の講義動画が用意されており、受講期間終了後も永久見放題です。

運営会社株式会社エーアイアカデミー
学習サポート・講師やチューターによるコードレビュー
・チャットで質問に対応
転職/独立支援
専門実践教育訓練給付制度
料金AI人材プラン(6か月)
32万8,000円
SAMURAI ENJINEER(侍エンジニア)

次のおすすめのスクールは、SAMURAI ENJINEER(侍エンジニア)です。

オンラインでの週1回60分の現役エンジニア講師によるマンツーマンレッスンです。カリキュラムは受講者に合わせたオーダーメイドのオリジナルカリキュラムが特徴です。

運営会社株式会社SAMURAI
学習サポート・週1回の専属コーチによるマンツーマンレッスン
・専属講師がチャットでの質問に対応
・24時間対応のQ&A掲示板での質問に対応
転職/独立支援・オーダーメイドカリキュラムでのポートフォリオ作成
・キャリアアドバイザーによる転職支援
専門実践教育訓練給付制度
料金AIコース(12週間、24週間、36週間、48週間)
入学金:9万9,000円+受講料:58万3,000円~

まとめ

AIプログラミングは、幅広い知識を必要とするため習得することが難しい分野のプログラミングです。

AIプログラミングに必要な知識は、つぎの3つです。

  • AIの基礎知識が必要
  • プログラミングの基礎知識が必要
  • 機械学習のための数学の知識が必要

そのため、プログラミング未経験者がAIシステムを作ることは難しいですが、フレームワークやライブラリを利用することで、比較的簡単にAIプログラミングを行うことができます。基本的な知識を身につけたうえで、機能を限定した小さなアプリケーションであれば、初心者でもAIプログラムを作ることは可能です。

つづいて、AIプログラムを作る手順は、つぎの3ステップです。

  • ステップ1:AIシステムを設計する
  • ステップ2:AIプログラミング開発をする
  • ステップ3:動作テストをする

通常のプログラミング開発と同じ手順ですが、AIプログラミングの場合には、機械学習のためのサンプルデータの作成や収集と訓練が必要です。

最後に、AIプログラミングの学習方法は、主なものに「独学」か「スクール」の2つがあります。独学であれば、コストを抑え手軽に学習を開始できますし、スクールであれば、AIとプログラミングの両方を基礎から学べ、手厚いサポートも受けられるため、効率よく学習ができます。

それぞれのメリットとデメリットを確認して、自分に合った方を選択してください。

【無料】会員登録不要のプログラミング学習サービス

プログラミングに興味があるなら会員登録不要無料のプログラミング学習サービス「Dig Skill」がおすすめ!登録不要なので自分に合わないと思ったらすぐ辞めれるし無料なので気軽に始めてみよう。
ソフトウェア会社がつくった学習サービスなのでスキルは間違いなく身につくでしょう。

無料で試してみる